漢方薬の吸湿と正しい保管方法について
現在、薬学実習生が研修に来ており、調剤で余った漢方薬を用いて保存方法の正しい知識を身につけてもらう為の実習を行いました。
医療従事者(医師や薬剤師、看護師など)でも知らない方が沢山いる内容です。
漢方薬は吸湿性が高い為、基本的にシートを破っての調剤はしないこととなっており、小児に使用する場合など大人量では多い為、仕方なしに薬局内でシートを破り分包調剤をしますが普通に室温保存すると、どんどん湿気を吸収し薬の劣化につながります。
劣化の早さもびっくりするくらいに。
劣化が進むとバクテリアなど発生することもあり、健康被害が生じる為、注意が必要です。
下記の写真で劣化を見てもらいます。
シートを破って剥き出しにした状態と分包したものを室温保存、医療用冷蔵庫で7度で保存の見比べです。
3日目には剥き出しの漢方薬は色が変わり缶の蓋にくっついた状態となり、室温保存では吸湿が始まり色が変わってきます。
室温保存のものはかろうじて服用できるくらいです。
4日目には室温保存の漢方薬は細かく固まりパサパサな状態となり、服用は避けるべき状態です。
剥き出しの漢方薬は缶の蓋に付着して裏返してもこぼれません。
冷蔵庫保管の漢方薬は変色もなくサラサラの状態で室温保存の漢方薬は分包紙の中で吸湿して固まっています。
室温保存の漢方薬では分包紙の中で付着し服用するのが嫌な状態になっています。
6日目でもこんな状態になりますので、分包した漢方薬は冷蔵庫保管をお願いします。
当薬局では分包調剤した漢方薬は乾燥剤を入れたハイパックでお渡しし、患者様にはその状態で冷蔵庫保管してもらうようにお伝えさせてもらっています。
是非正しい保管で安全な服用をお願い致します。