目薬って1本で何滴でるの?
『目薬って何滴出るの?』
『1本で何日分なん?』
患者さんからよく質問を受けます。
医療従事者からの患者さんへの回答は『1本で100滴くらい出ます』
1日4回、1回1滴を両目に確実に点せると1本で12.5日という計算になります。
これは製薬会社からの説明を元に回答しています。
目薬の主力製薬会社は参天製薬と千寿製薬など。
製薬会社の営業さんからは医療従事者には5mLで100滴出るように製造しています。
昔からずっとこの説明を受けていました。
実際は100滴以上出ますがとも説明を受けています。
じゃあバイアル調剤薬局で検証しようということで滴数検証第1弾やってみました。
本日はバイアルの薬局薬剤師と薬学生も混じって目薬の滴数を数えてみました。
今回用意した目薬は
参天製薬
サンコバ点眼液(非懸濁)
カリーユニ点眼液(懸濁)
千寿製薬
アイファガン点眼液(非懸濁) 三角容器
ドルモロール点眼液(非懸濁) 丸容器
ワカモト製薬
オフサロン点眼液(非懸濁)
オフロキサシンゲル化点眼液(ゲル製剤)
日東メディック
トラボプロスト点眼液(非懸濁) 2.5mL/本
【検証】
今回のやり方は一般に目薬を点すであろう角度45度くらい。
寝転びながら垂直に点す90度の角度。
この2通りの検証を非懸濁の目薬と懸濁の目薬。
室温保存の目薬と冷所保存の目薬。
目薬の入れ物が違うもの(参天製薬の容器、千寿製薬の容器、わかもと製薬の容器、日東メディックの容器)で検証しました。
滴下しながらスタッフの誰かが話すると気が散って滴数忘れてしまうやんとか思ったりあと連続滴下して分かったこと。
三角容器連続滴下したらすごく指が痛なる。
参天製薬の容器って指痛くならんし滴下しやすくめちゃ楽。(参天さんの回し者ではありません。)
やってみて色々発見出来ました。
【結果】
①ゲル製剤以外は100滴以上出る。
※点眼液の性質や容器の形状などで左右されるが一般的には1滴(0.03~0.05mL)で5mLの点眼液の場合およそ100滴。
②角度によって同じ目薬でも滴数は変わる。
※90度で落とすより角度をつけると、粘性のない点眼液は1適量が減り、粘性の高い点眼液は1適量が増える。
③同じ会社の容器でも商品違いで滴数は変わる。
※【薬液側の要因】
表面張力や粘度が大きいほど1適量が多くなる
【ノズル側の要因】
点眼角度で1滴量が変わる
参天製薬
カリーユニ点眼液(懸濁)
90度 111滴
45度 121滴
サンコバ点眼液(非懸濁)
90度117滴
45度122滴
千寿製薬
アイファガン点眼液(非懸濁・三角容器)
90度111滴
45度120滴
ドルモロール配合点眼液(懸濁・丸容器)
90度134滴
45度128滴
わかもと製薬
オフサロン点眼液(非懸濁)
90度130滴
45度140滴
オフロキサシンゲル化点眼液(ゲル製剤)
90度83滴
45度119滴
日東メディック
トラボプロスト点眼液(2.5mL/本)
90度89滴
45度80滴
【気になったこと】
①同じやり方で男女比較したらどうなんやろう?
②同じ商品で温度が変わればどうなんやろう? 今回の検証データ保管していつか第2弾またやります。